※この記事は、新規事業の事業コンセプトをつくる方法について書いています。新規事業の事業コンセプトづくりのフレームワークのステップ2の補足説明に該当します。フレームワークを読まれていない方は、先にフレームワークをご参照ください。また、この記事を読まれた後は、事業コンセプトのスクリーニングもご参照下さい。
さて、ステップ1では、自社にどのような強みがあるのかを洗い出しました。
ご参照
そして、既存事業のお客様にどんな価値提供しているのか、どんな困りごとを解決し、ニーズを満たしているのかを検討し、既存事業の事業コンセプトを言語化しました。
ご参照
これらのワークを通じて顧客提供価値の視点と強みの関係が整理できたはずです。
ステップ2では、新たな分野のお客さんに、自社が既存事業で培った強みから逆算し、どんな価値提供ができるのか、その顧客のどんなニーズを満たし、困りごとを解消するのかを考えます。以下の手順で考えていきます。
(1)想定業界のリストアップ→(2)製品のイメージを絞る→(3)ルートの中でお客さんを想定する→(4)困りごとやニーズ、顧客提供価値の想定→(5)事業コンセプト案を書いてみる
想定業界のリストアップ
ステップ1を通じて既存事業の強みと顧客提供価値について深く考えたなら、自社の強みはこんな新分野に使えるのではないかというアイデアがいくつかは出てくるものです。通常はそれでは足りないのでチェックリスト法や強制発想法といった方法論を使い発想をすることが一般的です。(これらについては別途書かせて頂きます)今は生成AIを活用するのも良いと思います。精度の高いアイデアが出るとは限りませんが、まずはアイデアを量産する段階では有効です。
例えばAIに次のように聞いてください。
「私の企業は××分野における〇〇製造業です。強みは、①〇〇〇・・・・、②〇〇〇〇〇・・、③〇〇〇・・・・です。この強みを活用して新分野に進出したいと考えています。進出先の候補分野、製品についてアイデアを出して下さい。なぜ当社の強みが活きるのかを具体的に根拠を示して下さい」
強みについてはできるだけ沢山、かつ具体的な説明を書いてください
AIは長すぎると面倒になって読んでくれないということはありませんから。
製品のイメージを絞る
上記質問をすると、AIは複数の候補分野を理由を付けて出してきます。それをもとに、候補分野で製品をつくるとしたら、どんなものができるか仕様の特徴、当社の強みを活かしたアピールしたいポイントを書いてイメージしてください。簡単な図を書いてみるのも良いと思います。さらに候補の分野ごとにさらに、次の質問をします。
「当社のように××分野における〇〇製造業で、その分野に進出した同業他社はありますか?その会社のURLも併せて教えて下さい。試作で作ったというのではなく、明確に実績があることがわかる企業だけを出して下さい。確認できない場合は確認できないと答えてください」
この質問をすることで、競合の存在が分かりますし、製品スペックが具体的になってくる可能性があります。
ルートの中でお客さんを想定する
上記で想定した製品を誰に売るのかという仮説を作ります。そのためには、自社のお客様が流通ルートの中でどこに位置づけられるかを想定しなければなりません。そこで以下のような質問をAIにします
「先ほどの、〇〇分野に進出して▲▲という特徴をもった製品を当社が供給する場合、当社の製品はどんなルートで最終消費者である××に納品されますか?→を使って商流を図示して下さい。当社のお客さんは誰になりますか。購買決定権者は誰ですか。」
消費財の場合は、流通の中間の卸売業者なのか、小売店なのか、最終の個人の消費者なのかです。生産財の場合は当社より大きな同業なのか(その場合当社は外注下請け)、商社なのか、それとも最終のセットメーカーなのかです。
顧客ニーズは何か、顧客の困りごとは何か、顧客にどんな価値が提供できるのかを考えるといっても、ここがはっきりしないと誰のニーズ、困りごと、価値なのかがわかりません。それをはっきりさせてから、もう一度最初に戻って具体的にAIに質問することで、顧客ニーズや困りごとを具体的にしていくことができます。
(1)想定業界のリストアップ、(2)製品のイメージを絞る、(3)ルートの中でお客さんを想定する の3つの手順について、何度もAIと対話しながら仮説を作ってみましょう。また、自分の知らない業界のことなので、都度情報検索をしながら作ってみましょう。
困りごとやニーズ、顧客提供価値の想定
顧客の困りごとやニーズ、当社がどんな価値提供ができるのかは、仮説検証の段階で様々な調査、観察、分析をして検討していくものです。しかしここでは、手っ取り早くAIに以下の投げかけをしてみます。
「これらの製品は、お客様のどんなニーズの充足、ペインの解消、ゲインの創造を行っていますか。どんな価値提供ができているのですか。」
ペインとは、顧客が対価を払ってでも解決したいと感じる悩み、課題、困りごとです。ゲインとは、顧客があったら嬉しいと感じ対価を払ってでも得ようとする付加価値です。
この質問をすることで、顧客の困りごとやニーズ、顧客提供価値=すなわち顧客にとっての良い事、喜ぶことを聞いているのです。もちろん新分野の顧客のことは門外漢なのでAIの提供する内容は的外れであってもそれを見抜くことはできないでしょう。しかし、とにかくたくさん数を出すことがこの段階は重要です。また、
「当社のように××分野における〇〇製造業でその分野に進出した同業他社の製品がある場合、差別化ポイントは何ですか?」という質問も役に立つと思います。
事業コンセプトを書いてみる
最後に、沢山のアイデア候補の業界や産業分野の事業コンセプトをまとめます。すなわち、
1)製品名(簡単な仕様)
2)どんなニーズ、困りごとを持ったお客様に
3)そのお客さんにとって良いこと、喜ぶことを
4)自社のどんな強みを活かして提供するのか
に整理します。この事業コンセプト案を沢山つくるというのがステップ2です。

