様々な会社の新規事業計画を読ませて頂く機会があります。その上で思うのですが、もう少し検討すべきだなと思う箇所にはパターンがある気がします。
第一に、「どんなニーズや困りごとを持ったお客様に」という部分の納得感が弱い場合です。新規事業計画ですから、狙いの市場の市場規模や売上目標も当然書いてあるのですが、顧客ニーズの部分に納得感がないと「とらぬ狸の皮算用感」が強くなって読んでいても入ってきません。以前書きましたように、まだ仮説とはいえ事業コンセプトがクリアになっていることはとても大切だと思います。
第二に、事業コンセプトが納得感のあるものであっても価格設定の裏付けが弱い場合です。価格設定においては、当然ながら顧客の立場に立った価値を考える必要があります。しかし、自社製品の品質や独自性に自信があると想定が甘くなるのかもしれません。逆に競争力がある価格設定の場合は、「技術的に他社より効率的に生産できる」とか「中間流通が省けるので価格が他社より安くできる」など、競合に対する価格競争力の根拠が抜けていると「?」となってしまいます。
最後に、競合品や代替品のことが十分考えられていない場合も多い気がします。これまで受注生産企業としてやってきた会社の新規事業に多い気がします。自社の製品ばかり集中して考えすぎるあまり、競合他社品や代替品を調べたり想定することが少ないケースです。特に代替品という視点が抜けがちである気がします。
以上述べたように、顧客ニーズの納得感、価格の裏付け、競合や代替品の検討、以上3つの視点の再確認が重要なのではと感じます。