新事業進出補助金は事業再構築補助金の後継的な位置づけです。しかし、補助率が2/3から1/2になり、また、最低1500万円以上の設備投資でないと申請することができません。他にも、様々な点で本当に真剣に新規事業に取り組む覚悟を持った企業を支援する内容になっていると思います。
第一に、新規性要件です。事業再構築補助金はコロナで売上が減少した企業を救うことが元来の目的でした。従って、新規性要件の解釈は実はかなり緩かったのではと思います。今回の新事業進出補助金ではもう少し厳しくなるのではないかと思います。
第二に、審査ポイントにある「新市場性、又は、高付加価値性」という要素の新設です。「新市場性」というのは自社にとっての新規事業であるだけでなく、世の中にとっても新しいジャンルの事業ということです。「高付加価値性」というのは、世の中にあるジャンル・分野の事業だが、高い付加価値を生み出す事業になっているかということです。採択を勝ち取るには、このどちらかを満たす必要があります。世の中にないビジネスを考えだすのは大変ですから、ほとんどの企業は「高付加価値性」をアピールして採択を目指すことになりそうです。
第三に口頭審査です。事業再構築補助金では事業計画書作成を外部コンサル会社に丸投げし、社長さんは内容を知らないなどということも問題になっていました。新事業進出補助金では、全員に対してではないが口頭審査が設定されています。社長さんが一人で説明や対応をすることが求められます。
第四に、賃上げ関連要件が未達成だった場合は補助金返還も規定されています。他の補助金と異なり給与支給総額に役員報酬は含まれないようです。付加価値がとれる事業にできるという自信と妥当な計画性が求められます。
以上のように事業再構築補助金と比べると、しっかり新規事業を企画推進したい企業を支援する仕組みになっているので良い補助金だなと思っています。