新規事業に取り組む中小企業経営者の中には、とても熱心に取り組んでいるが、事業規模の拡大が苦手な人、あるいはそれほど真剣に考えない人がおられるなと思います。
例えば、人に任せることが難しい人です。社長様は人と違うことがしたい、わくわくしたいという気持ちにあふれて発想力が豊かです。行動力にあふれていて、スピード感を持って次々手をうっていきます。人を巻き込むことも得意で、アイデアや夢に共感してくれるお客様やパートナーもいる。そのような資質のおかげで、すでに新規事業の立ち上げ段階では成功を収めています。しかし、事業規模を拡大するには組織も拡大が求められます。社長さんの発想力、行動力、個人の魅力、あるいは、勝手知った一握りの仲間に頼るだけでなく、組織の仕組みとしてスケールしていくことが必要になってきます。しかし、次の段階への移行がなかなか進まず、社長さんの動ける範囲以上なかなか成長しない場合です。
あるいは、ニッチな市場に集中する人です。彼らは、競合他社、特に大企業との差別化を重視するためか大きな市場を目指して事業を拡大することに慎重です。大企業との競争を避けることは極めて重要です。しかし、非常に小さな市場に満足してしまって、規模拡大の模索を放棄しているようにも見えます。売上規模を一桁上げるには今までとは違う「勝ちパターン」に手法を変えることが必要になりますが、そういうことに消極的です。例えば、さらに売上を拡大するには企業向けの販売に手をつけるべきなのに、自社が直接集客できる顧客にこだわり続ける場合などです。
どちらの場合も、最初のコアなお客さんをつかむところまではいくのですがそこで停滞するパターンだと思います。スケーラビリティの問題はいろいろパターンがあると思いますが、よくあるのは上記である気がします。