新規事業を「何のためにやるのか」を社内の皆が納得できるようにすることが重要です。
先日、新規事業に取り組んでいる2代目社長の方々とお話しをする機会がありました。ある建設業の社長様は、「介護や人材派遣業など様々な新規事業をやってきてそれなりに軌道に乗っている。でも、自分のやりたいことをやっているだけじゃないか?本当に従業員は満足してついてきてくれているのだろうか?ということがいつも気になる」とおっしゃっていました。また別の方は、「新規事業は色々うまくいかないことも多い。自分は本当にこの事業をやりたいのだろうか。何のためにやるのだろうか?この問いに対して明確な答えがないと、従業員も関係者も巻き込むことができない」とやはり言っておられました。
コロナ禍のように既存事業が危機にある場合はともかく、既存事業が好調な状況で新しいことを行うには「なぜ新規事業をやるのか」皆が納得できる理由が必要です。それを考えるために、私はいつも以下のようなステップで検討してもらうようにしています。
1)現在の既存事業の把握。基本的考え方で述べた形で、既存事業の事業定義を行う。これは現時点の全社の戦略方向性を表しています。すなわち自社の強みを使って、どんなニーズを捉えているのかを表しています。
- どんなニーズや困りごとを持ったお客様に
- そのお客様にとって良いこと、喜ぶことを
- どのような自社の優位性を使って提供しているのか
2)「どんなニーズや困りごとを持ったお客様に」が今後も有効か、今までのやり方を続けていいのかを検討。
- 自社は今、何らかの顧客ニーズを捉え、顧客の困りごとを解決しているわけですが、その勝ちパターンを今後も継続できそうか確認するわけです。
3.今後もこれまでどおりのやり方でまずいのであれば、修正する方向を考えます。
4.現在考えている新規事業を、「修正後の全社の方向性」における位置づけや意義を考えます。
上記ステップは、「新規事業企画におけるSWOT分析の手順」として別の機会でもっと書かせて頂く予定です。